2025年 8月 20日
モリスの思想を体現した「スタンデンハウス」

スタンデンハウスは1891年に弁護士ジェームズ・ビール氏がロンドンの南、サセックス州の田園地帯に家族や友人と週末や休暇を快適に過ごすための別荘として建てられました。
モリスの友人であるフィリップ・ウェッブ設計によるこの家は、「レッドハウス」や「ケルムスコット・マナー」と並んでアーツ&クラフツ運動の象徴的な邸宅のひとつとなっています。

邸宅ではモリスのデザインが随所に使われています。壁紙、家具、ファブリックなどが当時のまま保存されており、まるで19世紀にタイムスリップしたような感覚を味わうことができます。


壁紙やクッションにはモリスによる初期のデザイン「Fruit」が使われています。


(右)モリスが初めて手がけた壁紙「Trellis」。鳥の部分はフィリップ・ウェッブが描いたとされています。
7人の子どもを持つビール夫妻のために設計されたスタンデンハウスは、子や孫の代まで「我が家」として愛され続けました。
生活感と温もりが残るこの家は、美しさと居心地の良さが融合した魅力があり、モリスの思想 ”生活と芸術の一致” を体現している場所となっています。
Standen House and Garden
West Hoathly Road, East Grinstead, West Sussex, RH19 4NE
