クラフトマンシップを追求したMORRIS & Co.とLIBERTY

イギリス・ロンドンの観光名所として「リバティ百貨店」の名で知られ、世界中の人々から愛される「LIBERTY」。
1875年、アーサー・ラセンビィ・リバティによって「リバティ商会」が設立されたことによってその歴史は始まりました。manas_LIBERTY_morrisworld_about_4.jpg__PID:694d284d-4827-4424-b992-4e52fc2765efアーサー・ラセンビィ・リバティ肖像画 ©Liberty


当時は東洋から集められたシルクテキスタイルや工芸品を販売していたリバティ。
その後、デザインの制作から版木によるハンドプリントのスカーフなどの製造を行い、高い評価を得ました。それらを販売していたのが、現在のリバティ百貨店へと通ずるのです。


時を同じくして、アーツ・アンド・クラフツ運動の最前線にいたウィリアム・モリスは、「モリス商会」を設立します。
クラフトマンシップの復活を目指したモリスは、数名の仲間とともに壁面装飾や、ステンドグラス、金工、家具などの室内装飾をデザインから製造まで一貫して行い、多くの芸術家たちに影響を与えています。創業当時のリバティ百貨店外観 ©Liberty


そして1924年、アーサー・リバティはグレート・マルボロ・ストリート「リバティ百貨店」を開業します。クラフト感あふれる建築としてリバイバル期を迎えていたチューダー様式で設計された建物の内装は、アーツ・アンド・クラフツ家具や緻密な彫刻が彫られた柱など唯一無二の装飾品で彩られました。
この建物、現在では「GRADE1」と呼ばれる重要文化財に指定されている大変貴重なものとなっています。manas_LIBERTY_morrisworld_about_2.jpg__PID:783b694d-284d-4827-b424-79924e52fc27リバティ百貨店内観 ©Liberty


当時、モリス商会で製造されたテキスタイルや壁面装飾、家具などはリバティ百貨店でも展示・販売されており、芸術を愛する人々へと広まっていきました。
同時代に生き、時に競い、協力し合いながら英国の装飾芸術に影響を与えた2人の生み出した数々のデザインは、今もなおその精神とともに受け継がれています。


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リバティ百貨店
Regent St., Carnaby, London W1B 5AH