カンタベリー大聖堂
ロンドンから電車で約1時間。イギリス東南部ケント州の街、カンタベリー。
イギリス国内でキリスト教の布教が始まった街でもあり、街の中心地には英国国教会の総本山で約1400年の歴史を誇る「カンタベリー大聖堂」があります。
597年にローマ教皇から派遣された初代カンタベリー大司教が創建したカンタベリー大聖堂。
年月の重なりを感じる荘厳かつ重厚感のある石造りや、火事での消失を経て12世紀~16世紀という長い年月をかけて再建されたが故にさまざまな時代の建築様式を反映した構造が楽しめるのも見所のひとつです。
ウィリアム・モリスは、8歳の時に父親に連れられ初めてこの大聖堂を訪れました。
その素晴らしい技術と表現に魅了されたモリスは、のちにこの感銘を
「天国への扉が開かれたようだ。」
と表現しています。
中に足を踏み入れると、高く壮大なアーチ型の天井に白くそびえる柱。
繊細かつ存在感のある彫刻装飾。
ステンドグラスが放つ鮮やかで神秘的な光が空間全体を照らし、訪れる人々を包み込んでくれます。
豪華な装飾でありながらも無駄がなく、個々の要素が調和することで、ひとつの美しいハーモニーを奏でているかのよう。
モリスは、デザインは単なる装飾美ではなく、自然の美しさを引き出すためのキャンバスだと感じたのではないのでしょうか。ここはまさに、彼のデザインの源でもある表情豊かでありながらも心地良さを体現している空間だといえます。
カンタベリー大聖堂:Cathedral and Metropolitical Church of Christ at Canterbury
Cathedral House, 11 The Precincts, Canterbury CT1 2EH
ロンドンにあるRoyal College of Artに留学中。
イギリスの暮らしやインテリアにまつわることを発信していきます。