The world's first museum café – The Morris Room –
今や世界中の美術館に必ず併設されているカフェ。
1856年、美術館ディレクターのヘンリー・コールらによってVictoria & Albert Museum (V&A) 内に設立されたものが、世界で初めて美術館の中に作られたカフェです。
そんなV&Aのカフェは、より多くの人に文化を楽しんでもらうことを目的に「The Gramble Room」「The Poynter Room」「The Morris Room」という3つのコンセプトの部屋が作られていて、それぞれ特徴的なデザインの空間が広がります。
モリスが31歳の頃にデザインした「The Morris Room」は設立当時「The Green Dining Room」と呼ばれ、1861年に設立したモリス商会初期の作品です。
ゴシック様式の空間をテーマに、フィリップ・ウェッブ と エドワード・バーン・ジョーンズとともに中世の優雅な雰囲気が感じられるダイニングルームを作り上げました。
特徴的なグリーンと立体的に表現した植物柄の壁面。
シンメトリーが美しい白とベージュの天井デザイン。
壁面と天井のコントラストがより繊細な表現を際立てています。
さらに壁面の小さいパネルに描かれた繊細な絵画には、「フルーツ」などのモリスの代表的なデザインを彷彿させる柄が描かれています。
ひとつひとつの装飾が響き合う調和の取れた空間で過ごすティータイムは格別なひとときです。
100年以上たった今でもその繊細な手仕事は人々を魅了し続け、世界中からたくさんの人が集う憩いの場所となっています。
まさにモリスの目指した自然と調和する美が体現された空間です。
美術館:Victoria & Albert Museum
Cromwell Rd, London SW7 2RL
ロンドンにあるRoyal College of Artに留学中。
イギリスの暮らしやインテリアにまつわることを発信していきます。