Victoria & Albert Museum
ロンドンのサウス・ケンジントン駅近くにある世界的にも有名な博物館、Victoria & Albert Museum。
1851年に開催されたロンドン万国博覧会の展示品をもとに、翌年の1852年にヴィクトリア女王と夫君のアルバート公が産業博物館として基礎を築きオープンしました。
荘厳な建物内には、絵画、陶磁器やガラス、写真、彫刻、テキスタイルなど3000年にもおよぶ世界文明の遺物が展示されています。
館内の3階部分には英国の美術品が収蔵されており、19世紀後期のエリアにはウィリアム・モリスを中心に、アーツ・アンド・クラフト運動に参与したアーティストたちの作品が展示されています。
中でもひと際目立っていたのは、4m×7.6m ものサイズを誇る「The Bullerswood Carpet」。
1889年にモリスと彼のアシスタント、ジョン・ヘンリー・ダールによってデザインされたカーペットです。
天然素材と染料によるその繊細な表現をより長く保つため、およそ半分の長さに折り畳み、定期的に展示する部分を入れ替えることで美しさを保っています。
さらに当時人気を博した、モリスの娘メイ・モリスのデザインによる刺繍キットも展示されています。
展示されているのはシンメトリーデザインが美しい「Rose Bush」。
当時、デザインが描かれた布地の一部分を見本として刺繍したものをキットとして販売していました。
このほかにもタイルや家具、カリグラフィーなどさまざまなモリスの作品に触れることができます。
約160年たった今でも色褪せない、アーツ・アンド・クラフトの手仕事の美しさを改めて体感できる空間が広がっています。
美術館:Victoria & Albert Museum
Cromwell Rd, London SW7 2RL
ロンドンにあるRoyal College of Artに留学中。
イギリスの暮らしやインテリアにまつわることを発信していきます。