#私とモリス 特別篇(アトリエ・イリヤ・スロー 都木早苗さん)
「本物」へのこだわり
マナトレーディング 名古屋ショールームにて開催される企画展「西洋の色と菖蒲の節句」。
この展示の装飾を務めてくださったのが「アトリエ・イリヤ・スロー」の都木早苗さんです。
テーブルコーディネートをはじめ、インテリアや民芸、伝統芸能など、さまざまな分野に精通する都木さん。モリスとの出会いやモリスを取り入れたコーディネートについて、お話を伺いました。
― ウィリアム・モリスのデザインとはどこで出会ったのでしょう?
「フランスに訪れたとき、あるカフェで印象に残った壁紙に出合いました。調べてみるとウィリアム・モリスのデザインで、それから彼のデザインを詳しく調べるようになりました。」
ヨーロッパ各地を訪れていた都木さんにとって、イギリスやモリスへの興味が深まっていくのに時間はかからなかったそう。その後モリスのゆかりの地である「レッドハウス」や「ケルムスコットマナー」、タペストリーやモリスの友人ロセッティの描いた絵画が展示されている「ビクトリア・アルバート・ミュージアム(V&A)」を訪れては見識を深めていったそうです。
「振り返れば、これまでも海外のインテリアや映画のワンシーンで見かけて“素敵だな”と思ったものはモリスのデザインやイギリスものであることが多かったんですね。家族が住んでいたモナコやニース、旅で訪れたベルギーなどで見かけたモリスデザインは日本のシンプルな壁とは全然違うな、と感じていました。」
― ヨーロッパのアンティークだけでなく、日本の民芸品や骨董品とも上手に組み合わせているのが印象的ですが、コーディネーションに取り入れてみよう、と思ったきっかけはあったのですか?
「PURE MORRISを見たとき、自然からインスピレーションをもらった日本のシンプルなデザインとも共通していると感じました。ニュートラルな色だけでまとめる、そうすることでモリスの美しいデザインがより引き立つと思いましたね。」
例えば、茶室の土壁の “腰貼り”は、古くは壁の下部を掃除の際など傷がつかないよう守るために貼られていたものですが、当時貼られていた暦紙などの和紙の代わりにPURE MORRISの壁紙を貼ってみたいと話してくれました。
「日本らしい文化とリンクさせてみると、新しい使い方が提案できると思ったんです。他にもSnakesheadの壁紙を古布と組み合わせて掛け軸にしてみたいと思っています。」
土壁の腰貼り(参考写真、都木さんご提供)
ファブリックで作成した掛け軸(2021年)(Instagram @lamaisondeslegumesより)
生地/ Pure Honeysuckle & Tulip 226482
「役に立たないものや、美しいとは思わないものを、家に置いてはならない」と語ったモリスの手仕事への強いこだわりに共感しているという都木さん。シンプルなものこそ、コーディネートには“本物”を取り入れていきたい、と教えてくれました。
アトリエ・イリヤ・スロー 代表 都木 早苗(たかぎ さなえ)
ウィリアム・モリスの生地や壁紙とフランスの陶器や日本の籠などの組み合わせを提案する企画展を開催予定。
期間:2022年5月22日(日)~28日(土)
「西洋の色と菖蒲の節句」
都木早苗さんが装飾を務められる特別展示「四季の室礼」。
モリスの生地で製作したファブリックボードなどを展示、数量限定にて販売いたします。
期間:2022年4月15日(金)~5月7日(土)10:00~12:00、13:00~17:00
休館日:日曜・祝日
会場:マナトレーディング 名古屋ショールーム
名古屋市中区栄4-14-5 松下中日ビル2F
*予約不要(混雑している場合はお待ちいただくこともありますのでご了承ください)
*お問い合わせ先:052-238-6852
ウィリアム・モリス ファブリックボード(参考)