＃花とモリス No.22

「モリスカレンダー2023」に使用された各月のインテリアシーンに登場するモリスアイテムや花材などのストーリーをお届けする「#花とモリス」。
10月のフィーチャーアイテムは秋の訪れを感じさせる「ダフォディル」です。

1891年にジョン・ヘンリー・ダールによってデザインされたらっぱ水仙がモチーフの「ダフォディル」。THE CORNUBIAコレクションではデザインをわずかにスケールダウンし、ブルー・ブラウンカラーはフレッシュで澄み渡る空を表現しています。原画はいまでもロンドンのウィリアム・モリス・ギャラリーで見ることができます。
10月は深まる秋をイメージしてパンパスグラスと松ぼっくりをコーディネート。常緑樹の松は一年をとおしてその緑色を厳しい冬でも保つことから日本では縁起の良い植物とされていますが、西洋ではギリシャ神話で女神が叶わぬ恋の相手を松に変えてしまったという話から、その反対のイメージを松にもつこともあるそう。

生地に描かれた水仙にまつわる有名なギリシャ神話（ナルシスのエピソード）は良く知られていますが、ほかにもモリスはアカンサスをはじめ、デザインにギリシャ神話に登場する植物をモチーフとして描いています。1868年から1870年にかけて刊行した長編叙事詩『地上の楽園』にギリシャやスカンジナビアに伝わるさまざまな神話や伝説、おとぎ話を引用したほど、ウィリアム・モリスとギリシャ神話との関係は深いのです。

さて、秋の夜長の読書にギリシャ神話を読みたくなってきませんか？お話を知るとデザインのバックストーリーの奥行が広がるかもしれませんね。

■使用アイテム：生地/ Daffodil 226993
■使用花材：パンパスグラス、松ぼっくり
■フラワーアレンジメント：OEUVRE（ウヴル）