Column no. 19

洗練された野生感
コンプトンとアーティチョーク


不規則に絡み合う草花たち。
ともすればワイルドになってしまいそうな柄モチーフが、洗練されたデザインに。

不規則に絡み合う草花たち。
ともすればワイルドになってしまいそうな柄モチーフが、洗練されたデザインに。

Compton

1895年、ウィリアム・モリスの一番弟子であるジョン・ヘンリ・ダールによるコンプトンは、モリス商会の物件ローレンス・ハドソン家のコンプトン・ホールのためにデザインされたもの。モリスの手掛けたデザイン同様に、見事なまでに様式化されたデザインは、彼の傑作と言われています。一面に広がるチューリップやスイカズラや葉。ごちゃごちゃ、となりそうなくらいのデザイン要素の多さにも関わらずすっきりと見えるのは、デザインがパターン化されたからこそ。描かれたモチーフがもたらすほどよい野生感がインテリアに自然の風をもたらしてくれる、そんな柄です。
梅雨空が広がる今の時期。コンプトンの生地で仕立てたクロスをテーブルに広げ、フレッシュな気分にさせてくれる花(写真では、ヒヤシンスとクレマチスを選んでいます)を活けて読書時間はいかがでしょう。デザインと花から受ける自然の風から、雨空や曇り空の中、気分だけでも晴れやかになってきませんか︖


Artichoke Embroidery

もうひとつ今回ご紹介するのは、華やかな刺繍が目を奪うArtichoke Embroidery。シルク地に青、ピンク、グリーンといったカラフルな刺繍を施したこの生地は、ウィリアム・モリスが 1877年にデザインした「Artichoke」からインスピレーションを得たデザインです。
実際のアーティチョークは、大きさや見た目もあり洗練や華やかさよりもワイルドな雰囲気を感じてしまうもの。そのワイルドさを約 30cm もの大きさでの刺繍で表現しつつも、パターン化すること、そして刺繍という技巧を合わせることで美しい迫力のある生地に。とにかく刺繍の立体感と光沢が目を奪います。この華やかさがあるからこそ、カーテンとしてではなく、小物使いもこの生地はおすすめ。以前ご紹介した刺繍作家の大塚あや子さんもご自宅にこの生地でつくられたファブリックパネルを飾られているそう。パネルやクッションなど、小物使いでも華やかさを演出してくれるのはこの生地だからこそです。
ちなみに食用になるアーティチョークはつぼみの部分で、属名の「キク科チョウセンアザミ属」が示すように、花を咲かせるとアザミのように青みがかった紫色の花を咲かせます。写真ではそれをイメージして青紫色のアネモネをはじめ、コニカル、姫林檎、アーティチョークを合わせたスタイリングをしています。


(Text by MORRISWORLD.jp staff)

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