Column no. 08

蜷川 実花

映画「人間失格 太宰治と3人の女たち」公開記念 特別インタビュー


9月13日(金)より全国ロードショー公開される「人間失格 太宰治と3人の女たち」。
この映画の中に、‟モリスのある風景” が現れます。
その場所とは、太宰をはじめとする登場人物たちが集まる飲み屋。
MORRIS&Co.の生地や壁紙が彩る、鮮やかな空間が目を引きます。
今回、特別に公開を前に監督の蜷川実花さんにお話を聞くことができました。
ぜひ、映画とともにこちらのサイドストーリーもお楽しみください。

9月13日(金)より全国ロードショー公開される「人間失格 太宰治と3人の女たち」。
この映画の中に、‟モリスのある風景” が現れます。
その場所とは、太宰をはじめとする登場人物たちが集まる飲み屋。
MORRIS&Co.の生地や壁紙が彩る、鮮やかな空間が目を引きます。
今回、特別に公開を前に監督の蜷川実花さんにお話を聞くことができました。
ぜひ、映画とともにこちらのサイドストーリーもお楽しみください。

― MORRIS WORLD(以下M)
まずは、映画「人間失格 太宰治と3人の女たち」の公開を控えた思いをお聞かせください。
― 蜷川監督(以下 監督)
最初は小説「人間失格」を映画化しませんか、というお話をいただきました。太宰治についていろいろと資料を読みこんでいくうちに、太宰本人と彼を取り巻く3 人の女性のほうに俄然興味がわき、太宰が「人間失格」を書くまでの話を描くことにしました。開発に7年かかりましたし、主演の小栗くんをはじめ、本当に素敵なキャストに集まってもらえ、監督冥利に尽きます。公開を控え、「なんでこんな作品が撮れちゃったんだろう……早くみなさんに観ていただきたい︕︕」という気持ちでいっぱいです。
― M
7年もですか!?それだけ思いが込められているのですね。映画のタイトルを初めてお聞きしたとき、この題材で撮られるのか、とかなりのインパクトを受けたのを覚えています。
さて、今回映画のセットにウィリアム・モリスのデザインの生地や壁紙をお使いいただきましたが、まずは監督ご自身のモリスとの出会いや知ったきっかけを教えていただけますでしょうか︖
― 監督
たしか高校生の時だと思うのですが、ウィリアム・モリスの展覧会をやっていて、観に行ったのがきっかけです。絵柄の美しさはもちろんですが、執念さえ感じるほど細部まで緻密に描きこまれているところに圧倒されたことを覚えています。
― M
モリスのデザインは、150 年以上経た今もなお私たちを惹き付けてやまないものばかりです。ただ単に「植物柄」や「花柄」という一言では済まされない、緻密さがありますよね。そこに‟執念” を感じられるのは、やはり同じものづくりをされているという監督とモリスの共通点があるからでしょうか。
そんな風に出会われたモリスですが、映画「人間失格」のセットにモリスデザインのものを使おう、と思われた理由は何でしょうか。
― 監督
この時代の良さがありつつ、ぶっちぎりでかっこいいですし、品の良さもあるところに惹かれます。
歴史があるし、今でもかっこいい、本物のかっこよさは唯一無二だと思います。

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― M
そのモリスの壁紙や生地が使われた実際のセットを目にされた際の第一印象はいかがでしたか?
― 監督
これまで監督してきた作品と違い、今回の「人間失格 太宰治と3 人の女たち」は、実在の人物ですし、時代設定も明確です。そのため、うまくハマるか心配はありましたが、私が描きたい世界観とバチッとハマって完成したのは、モリスのおかげだと思います。
― M
ウィリアム・モリスのデザインは、大正時代から昭和初期にかけて日本でも紹介されましたから、もしかしたら本当にこんな飲み屋が存在していたかもしれませんね。
最後に、弊社では美しい暮らしを提供するため、インテリア用ファブリックや壁紙をはじめとしたさまざまなインテリア商材を取り扱っています。蜷川監督にとって、美しい暮らしとはどんな暮らしでしょうか。
― 監督
目から入ってくる情報はすごく重要なので、家の中は自分が許可した美しいものだけに囲まれていたいんです。今は子供もいるので難しいところもありますが、自分の書斎だけはボールペン1 本をとっても自分が気に入ったデザインのものを置くことを死守しています。
また実家の別荘があるんですが、寝室の壁紙がモリスのものなんです。存在感がある絵柄なのに暮らしの中にすっと溶け込んでいて、落ち着きます。
― M
モリスも、「美しいと思わないものを家に置いてはならない。」という言葉を残しています。それは蜷川監督の暮らしに対する美意識とまったく同じですね。また別荘の寝室がモリスのデザインなんて、何だか嬉しくなります。
この度は貴重なお話、ありがとうございました。映画の公開も楽しみにしています。

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映画 「人間失格 太宰治と3 人の女たち」
9 月13 日(金) 全国ロードショー
© 2019 「人間失格」製作委員会
配給: 松竹 アスミック・エース

[ STORY ]

男と女に起こることのすべてがここにある
天才作家、太宰治。
身重の妻・美知子とふたりの子どもがいながら恋の噂が絶えず、自殺未遂を繰り返すー。
その破天荒な生き方で文壇から疎まれているが、
ベストセラーを連発して時のスターとなっていた。
太宰は、作家志望の静子の文才に惚れこんで激しく愛し合い、
同時に未亡人の富栄にも救いを求めていく。
ふたりの愛人に子どもがほしいと言われるイカれた日々の中で、
それでも夫の才能を信じる美知子に叱咤され、
遂に自分にしか書けない「人間に失格した男」の物語に取りかかるのだが・・・。
今、日本中を騒がせるセンセーショナルなスキャンダルが幕を明ける!

監督: 蜷川実花
出演: 小栗旬 宮沢りえ 沢尻エリカ 二階堂ふみ
成田 凌 / 千葉雄大 瀬戸康史 高良健吾 / 藤原竜也

脚本: 早船歌江子 音楽: 三宅純 プロデューサー: 池田史嗣
主題歌: 東京スカパラダイスオーケストラ
「カナリヤ鳴く空feat. チバユウスケ」(cutting edge/JUSTA RECORD)

製作: 2019「人間失格」製作委員会
企画: 松竹 配給︓松竹 アスミック・エース
© 2019 『人間失格』製作委員会
公式HP: http://ningenshikkaku-movie.com/
公式Twitter、Instagram︓@NSmovie2019 <R-15>


蜷川 実花

写真家、映画監督。
木村伊兵衛写真賞ほか数々受賞。
映画『さくらん』(2007)、『ヘルタースケルター』(2012)、『Diner ダイナー』(2019年7月5日公開)、Netflix ドラマ「FOLLOWERS」
(2020年配信予定)監督。映像作品も多く手がける。
2008年、「蜷川実花展」が全国の美術館を巡回。
2010年、Rizzoli N.Y. から写真集を出版、世界各国で話題に。
2016年、台湾の現代美術館(MOCA Taipei)にて大規模な個展を開催し、同館の動員記録を大きく更新した。
2017年、上海で個展「蜷川実花展」を開催し、好評を博した。
2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会理事就任。

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